久しぶりにお気に入りの本を読み返しました。
塩野七生 「ローマ人の物語」
古代ローマ人の壮大な歴史と日々の諸行を
綴ったとても素晴らしい本です。
塩野先生のライフワークとして、十数年かけて
執筆・刊行された偉大な作品だと思います。
僕自身、ローマ時代の話が大好きで、この本とは大学時代からの付き合いです。
個人的には共和制末期~帝政初期の激動の時代が一番好きです。
この本には、それこそたくさんのローマ人が登場しますが
ユリウス・カエサルを超える人は出てきません。
ユリウス・カエサル・・・英語名ではジュリアス・シーザー
このユリウス・カエサルという人は、実に多くの偉大な諸行を成し遂げた人ですが
中でも今の西ヨーロッパの原型を形作った人なんです。
ドイツの歴史家モムゼンは、「ローマが生んだ唯一の創造的天才と言っています。
多分今でも世界でNo.3に入る人気がある歴史上の偉人だと思います。
その魅力はここだけでは書ききれないので、また別の機会に触れていきます。
さておき塩野先生の描くユリウス・カエサルは最高です!
カエサルの持つ「人間力」というものを存分に伝えてくれます。
また、このカエサルを読んでいると、いつも「リーダーの資質」について
考えさせられてしまいます。
こんな人が組織のリーダーにいたらきっとすごい会社になるだろうな・・・とか
ていうか、部下として是非使ってほしいと懇願するだろうな・・・とか
先見性、政治力、決断力、軍事的才能、知力、コミュニケーション力、
カリスマ性、表現力・・・どの能力をとっても完璧です。
自らの理念を掲げ、明確なビジョンを示し、部下を上手に使う。
本を読んでいるだけでもやられた・・・って感じを受けるような人ですよ!
当時、実際に部下として働いていた人もきっと同じように感じていたと思います。
ユリウス・カエサルには、まさにリーダーに必要な資質が完璧に備わっています。
まさしくリーダーそのものです。
「組織はリーダーの良し悪しで決まる」
これは間違いないことだと思います。
経営者や人事の仕事をする人にとっては、そこらへんの経営本やビジネス本を
読むよりも先人の生き方や考え方を学ぶ方がよっぽど価値があるように思えます。
後世のわれわれが、歴史の恩恵を享受できるのは、多くはそのような場合ではないでしょうか。