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法の民

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2008年4月29日


今日は労働法研究で著名な早稲田大学島田教授の

講演を聴講してきました。

 

テーマは「労働法と管理職」について。

 

最近の管理職問題を受けてか会場はかなりの人で

埋まっていました。

 

社労士として、管理職問題については、常日頃から実践的な対応が

求められる分野ですが、今回の講演は実践的な実務セミナーではなく、

法理論や裁判例を中心に考察するアカデミックな内容でした。

 

人事・労務を生業にする者にとって、法理論とその解釈は

実務をこなしていく上で幹となる部分です。

 

そういう意味で、こうした機会を通じて自らの法認識と理解を

深めることは意義あることだと思います。

 

管理職を取り巻く昨今の労働問題は、労働時間主義を前提とする

現行法制上では解決が難しい問題です。

 

しかし、難しいといったところで未来において進歩がなければ

法律を作る意味も法治国家の意味もないように思います。

 

今日の講演を聴いていて、ふと古代ローマ人のことを思い返しました。

古代ローマ人は法の民でしたが、同時に現実主義者であったことでも有名です。

 

彼らは、法律ですべての現実的問題や紛争を解決することはできないが、

社会において適度なバランスを取れることは知っていました。

 

ローマ人の教えではありませんが、法律とは要は

人間社会のバランスをとるためのインフラに他なりません。

 

また、インフラである以上はメンテナンスが不可欠です。

メンテナンスはその時代その時代に合ったやり方で

なされるのがセオリーです。

 

そう考えれば、必ず進歩・改善する道が開けるはずです。

ポイントは、現代の日本人がローマ人のように現実主義者に徹して

その手腕を発揮できるかどうかだと思います。

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